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体幹とは何か?子どもから体幹トレーニングがなぜ必要なのか?

競技スポーツを上達させるためにも、怪我や痛みを予防するためにも、ジュニアアスリートにとっては体幹部をトレーニングで使えるようにすることは重要な要素です。

すでにジュニアの現場でも体幹トレーニングをさせていたり、家でもテレビを観ながら体幹トレーニングをしている子どもも多くなりました。

でも、体幹部のトレーニングを行ってはいるものの、本来の目的とズレてしまっているように感じますので、今回は体幹とは何か?なぜ、体幹トレーニングを行うのかなどの目的、実際、子どもから体幹トレーニングをするとどうなるのかなどを解説したいと思います。

 

体幹とは何か?

意外に体幹部をどこですか?とお聞きすると、お腹周りだとか、背骨?などとお答えされていて、実際に体幹部は何か、どこが体幹部なのかご存じない方もいらっしゃるので、まずは体幹部はどこなのかを説明します。

頭と、腕、脚を除いた胴体部分全体を体幹部と呼ばれています。

今、ジュニアアスリートの中でも、体幹トレーニングが必要と言われているのが、この胴体部分をトレーニングすることが大事だと言われています。

もう少し細かく言うと、胴体にも「胸郭(肋骨の部分)」と「骨盤」に分かれています。

 

体幹を鍛える目的

今では体幹トレーニングが必要だということは、ジュニアアスリートの保護者でもご存知の方は多いはずです。でも、実際、なぜ、体幹トレーニングが必要なのですか?と聞かれても余り正しい答えが返ってくることはありません。

それでは子どもに体幹トレーニングをさせたとしても、正しくないトレーニングをしてみたり、効果がないトレーニングをしてしまっていては時間の無駄になるかも知れません。

まずは体幹トレーニングをする必要性をご理解ください。

体幹トレーニングの大きな目的は「胸郭と骨盤をつなぐこと」があります。骨の上図でもあるように、胸郭と骨盤をつないでいるのは背骨(腰椎)しかありません。これでは立って歩いたり、走ったりすると腰椎にストレスが掛かり過ぎます。人間のウィークポイントであります。

よく指導者に「軸がない」と言われているとしたら、もしかすると軸がない原因が、胸郭と骨盤をしっかりとつなぐことが出来ていないために、軸がない状態かも知れません。

では、胸郭と骨盤をつなぐにはどうしたらいいかと言うと、筋肉でつなぐしか方法がありません。それが下記の図の通りです。胸郭と骨盤をつなぐ役割をしているのが体幹部の深層の筋肉たちです。深層筋とはインナーマッスルと呼ばれている筋肉たちです。

ちなみに浅層、一番外側になる大きな筋肉(アウターマッスル)も入れると、下記の図のようになります。

筋肉には深層にあるインナーマッスルと、浅層にあるアウターマッスルに分かれており、体幹トレーニングの目的の一つが、体幹部の深層(腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋群)の筋肉たちをトレーニングすることです。

 

なぜ、体幹を子どもから体幹トレーニングする必要があるのか?

なぜ、子どもの時から体幹をトレーニングで鍛える必要があるのか?それはその胴体がうまく連携が出来ていないので、スポーツをし始めると胴体が安定していない状態で、手や脚を動かしたりするので体がうまく使えなかったり、怪我や痛みの原因になりますので、子どもの時から、特にスポーツをしているジュニアアスリートには、ここを使えるようにすることがポイントになります!

では、なぜ、今の子ども達が、この体幹部のトレーニングが必要だと言うと、昔の子は、遊びの中でここを使って動かして遊んでしました(もちろん子どもの遊びに変化が出ているからです。

  • 遊び方
  • 遊ぶ場所
  • 遊ぶ仲間
  • 遊ぶ時間

これらの変化により、小さな子どもの時から、体幹部を使わなくても良い状況が増えてきたため、あえてトレーニングをする必要な時代になったと感じています。一つ一つ説明をしていきます。

遊び方の変化

昔の子どもは、木登り、鬼ごっこ、缶けり、竹馬、ゴム跳びなど、外で体を使った遊びを行っていました。でも現代っ子は、早くからサッカーや野球、バスケットボールなどの競技スポーツをしていて、遊びではその競技の練習のようなものか室内でのゲームなどと、子どもの遊び方が変わってきました。

遊ぶ場所の変化

そもそも子どもの遊び場は、昔は家の前だったりしましたが、家の前の道が整備され、車が走るようになり、子どもの遊び場は公園などの遊ぶための場所でしか遊ばなくなりました。家の前では竹馬をしたり、ケンケンパをしたり、メンコをしたりと、女の子はゴム跳びをしたりしていましたが、今ではほぼ考えられないような状況です。

また人がいないような空き地や、木の上、川や用水路、茂みなど人の目が気にならないところで遊んでいました。

それにその遊ぶための場所や公園がケガをしないように、事故が起こらないようにと整備されてきました。もちろん事故やケガは良くないので整備することも大事ですが、その分、体幹部を使わなくなってきたとも言えます。

遊ぶ仲間の変化

兄弟も少なく、友達も少ないのが現代っ子です。また少子化により友達も少なく、家の周りにも同学年の子どもがいない場合も多いと思います。遊ぼうと思っても仲間がいなければ遊ぶことが限られてしまいます。

遊ぶ時間の変化

また遊ぶ時間が、塾や習い事などで少なくなってきています。塾や習い事も夜遅くまでなので、帰ってきてからも食事をして、お風呂に入り、あとは寝るだけしか時間がない子も沢山いると思います。

遊ぶ仲間も減り、習い事が多くなり、より友達と遊ぶ時間が取れないのが現状です。また、ゲームやスマホなど子どもにとっては楽しい遊びのツールが出てきましたので、一人で遊ぶ時間も増えてしまうのも当たり前なような気がします。

 

体幹トレーニングのポイント

効果が出る、目的を達成するための体幹トレーニングのポイントを知るためには、2つの筋肉のグループと、その働きを知ることが大事です。

先程も述べましたが、筋肉には大きく分けて2つあります。「深層筋(インナーマッスル)」と「浅層筋(アウターマッスル」です。

インナーマッスル:深層にある筋肉群で、小さい、細い筋肉です。
アウターマッスル:外側にある大きな筋肉群です。

インナーマッスルの目的:姿勢を保持、関節の保護
アウターマッスルの目的:体を動かす

インナーマッスルと、アウターマッスルでは目的が違うので、トレーニングの方法やポイントが変わってきます。

まずは体幹部のインナーマッスルを使えるようにし、その後、アウターマッスルを鍛える必要があります。

各々のトレーニングのポイントを解説したいと思います。

インナーマッスルを使えるようにするポイント

トレーニングと言うと、どうしても負荷をかけて回数やセット数を増やすと強くなるというイメージだと思いますが、そもそもインナーマッスルはと良くするというより使えるようにすると言う感覚です。

自分の腕や脚の重さなどを使った自重トレーニングであったり、バランスボールやバランスパッドなどバランスを保つことが必要なトレーニングがメインになります。

昔、木登りをしたり、川で遊んだりしていた時に、バランスを崩さないようにして体幹部のインナーマッスルを使っていたということです。

意外だと思われますが、インナーマッスルが使えていない子は、体が硬かったりしますので、体幹のインナーマッスルを使えるようにすると柔軟性がアップします。

アウターマッスルを鍛えるポイント

昔のトイレは和式でしゃがむ動作がありましたが、今では様式になり日常生活でもしゃがむ動作をしなくなりました。しゃがむ動作の時にお尻の筋肉やお腹の筋肉を使うので、手や脚を動かすためにも、競技で素早い、スムーズ、力強い動きをするためには、アウターマッスルも鍛える必要があります。

ただ中には、子どもの時に筋トレをすると背が伸びないからやらせたくないという保護者の方も多いと思いますが、第2次成長期が始まる前後には筋トレでアウターマッスルを鍛える必要があります。

インナーマッスルを鍛えるのとは違い、アウターマッスルを鍛えるには、重さや回数、セット数などが関係します。だからと言って、重いものを持ち上げればよいではなく、正しいフォームでトレーニングすることがポイントになります。

この辺りは同じ学年でも、体格差がありますので、チームで同じメニューをこなすより、個別で子どもに合った負荷や回数を決めた方が効果があります。専門家にお任せした方が効果的ではあります。

 

体幹トレーニングで鍛える筋肉

そもそも体幹を子どもの時から鍛える目的は、手足をスムーズに動かせるようになり怪我を予防することや、猫背や反り腰にならず正しい姿勢を保つためです。だからこそ体幹トレーニングは、正しいフォームや目的に合ったトレーニングを行わないと効果が出ないかも知れません。

練習中に体幹トレーニングを行っている場合もあると思いますが、自宅で出来る体幹トレーニングが出来る方法をお伝えします。

まずはその前に体幹トレーニングで鍛える3つの部分をお伝えします。もちろんそこだけを鍛えればよいのではなく、他の部分のトレーニングに合わせて行ってください。

【3つのトレーニングする部分】

  1. お尻(大臀筋、中臀筋など)
  2. お腹(腹横筋、腹斜筋、腹直筋など)
  3. 背中(多裂筋、脊柱起立筋など)

お尻とお腹と背中を鍛えることが大切ですが、

 

主な体幹トレーニング

子どもが自宅で出来る簡単な体幹トレーニングをお伝えします。トレーニングは全て同じポイントがありますので、ポイントを守って子どもに体幹トレーニングをさせてください。

体幹トレーニングのポイント

  1. 正しいフォーム
  2. 鍛えているところを意識する
  3. 集中できる環境で行う

正しいフォームで行わないと、効かせるところではないところが動き、効果が出ないと時間の無駄になります。また、どこを動かしているのか、どこを鍛えているのかがわからないと、正しいフォームではないかも知れません。

子どもですからテレビを観ながら、喋りながら体幹トレーニングを行ってしまいがちですけど、一人で集中できる部屋や場所を見つけて行わせてください。

上記でお伝えしたこれだけはさせて欲しい主な体幹トレーニングをお伝えします。

スクワット

まずはほとんどの人がご存知だと思いますが基本中の基本の「スクワット」です。ただスクワットぐらいやった事がある!と言われますが、正しくできているのか?がポイントです。

お腹、背中、お尻、太ももなど広い範囲で効果があるトレーニングですが、ゆっくりと上体を下げたり上げたりすることがポイントです。早く上げ下げをしても効果が低いので気を付けましょう!

あとは上体を下げた時、膝を曲げた時に太ももと床が平行になるぐらいまで下げて、可能であればその状態をキープしてから、ゆっくりと膝を伸ばして上体を挙げて行くことです。子どもなら太ももと並行まで下げるのがつらいかも知れないので、途中までしか降ろせなかったりしますので、そこを確認してい下てください。

また足首が硬い子どもさんであれば、上体を下げて行くと踵が浮いてしまう可能性がありますので、足首が硬いお子さんには、踵を少し上げるためかかとが浮かない程度の厚み(5センチ前後)のある板のようなものを踏ませると浮かなくなり、しっかりと効いてきます。

プランク

次の体幹トレーニングもお腹、背中、太ももなど広い範囲で効果的な体幹トレーニングがプランクになります。

お尻が浮いてしまったり、腰が反ったりして肩から体、脚までが一直線にならないと効果が出てきませんので、これも正しいフォームで行わせてください。子どもの場合、特に気を付けて欲しいのが、時間、回数などを目標にするとフォームが崩れがちになります。

例えばこのプランクも、正しいフォームで行えば、初めての子は20秒ぐらいでもプルプルからがが動き始めます。でも、最初に1分とかを設定してしまうと、1分間耐えるためにフォームを崩していきますので、結局は効果が出ません!

20秒でも正しいフォームで行えば、終わった後はお腹周りが熱く感じると思います。

ヒップリフト

最後はヒップリフトという体幹トレーニングをお伝えします。ヒップリフトはお尻は太ももの裏側に効いてきますが、ジュニア期の起こりやすいオスグッド病などの予防にこの体幹トレーニングをさせています。

この体幹トレーニングも、お尻を上げすぎたり、下げ過ぎないようフォームに注意してください。またお尻を挙げて行くと、膝だけがくっついていくX脚のようになる子がいますので、股関節、膝、足首がまっすぐになるようにしてください。

お尻を上げた状態で1分間キープするというやり方と、お尻を上げ下げして回数も目的としたやり方がありますが、まずはお尻を上げた状態で1分ぐらいキープできるようにしましょう!1分間が出来れば、次に2分、3分と長くしていきましょう。

もし回数を目的とするなら、1回1回、お尻を下げた時に床につけないことを心がけてください。

 

まずはスクワット、プランク、ヒップリフトの3種類だけでも週に2~3回行うようにさせてみてください。あまり種目を多くしても、結局疲れて、時間も限られている子どもには長続きしません!

それよりも習慣化させることと、正しいフォームを身につけさえることを目的にしてください。体幹トレーニングを効果的に行っていると、もちろんケガや痛みの予防にもなりますが、動きが見違えるほど違ってきますし、今までできなかったような動きが出来るようになったりと、本人も自覚したり、コーチから褒められるようになると思いますので続けてみてください。

 

体幹トレーニングと合わせて行って欲しいトレーニング

上図はスキャモン発達発育曲線と言うもので、どのように成長して行くかをグラフに現わしたものです。

その中にある神経型に注目していただきたいのが、8歳ぐらいから12,13歳ぐらいまでに神経型は100%の状態になっているということで、ほぼ大人の状態になっているということです。その後に一般型が追い付いてくるように成長を始めますが、一般型と言うのは骨や筋肉などの成長をを表しています。

子どもには体幹トレーニングも重要ですが、その前に神経が発達をしますので、神経系のトレーニングも重要だということです。

体幹がトレーニングされ、体幹が安定したとしても、脳から神経を通して筋肉に動けという指示を出しますが、その指示を出す脳と筋肉との連携が神経になります。その神経系も合わせてトレーニングする方が、本来の競技力アップにつながります。

 

まとめ:体幹トレーニングは子どもから必要でパフォーマンスは変わります!

何でも同じですが、いくら体幹トレーニングが必要だからと言って、闇雲に体幹トレーニングをしたからと言ってパフォーマンスが上がる訳ではありません!まずは知識も知って、正しいフォームなども見につけないと怪我のリスクも高まってしまうために逆効果でもあります。

また筋肉を大きく、強くしたとしても筋肉を動かしているのが神経が関係しているので、あわせて神経系のトレーニングも行うことが望ましいです。

インターネットで調べた体幹トレーニングや、チームメイトなどから教わった体幹トレーニングは、ただ単なる体幹部のトレーニングで合って、本来の体幹トレーニングの目的とは違う可能性があると感じてください。

体幹トレーニングをすることによって、軸が生まれ、手や脚がスムーズに動かしやすくなりますので、ただ単に練習だけを繰り返して行っているより早く上達につながります!

当ラボでは小学生アスリートから、神経系のトレーニングや、体幹トレーニングなども個別で行っております。また個別のパーソナルトレーニングの第1回目は、姿勢分析を行い、体の状態、姿勢などをチェックし、子どもに合ったトレーニングを見つけ出し、マンツーマンでトレーニング指導を行っております。

 

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